[現場レポート] 矯正歯科医院で働く(歯科衛生士/森田有美さん)

現場レポート

矯正歯科医院で働く

  • 岡下矯正歯科
    チーフDH 森田 有美さん
  • 歯科衛生士歯並びコーディネーター
  • 〒634-0063
    奈良県橿原市久米町615 赤心ビル2F
  • 2007年 岡下矯正歯科入職

今回のコラムは奈良県で歯並びコーディネーターの資格を取得され、衛生士として活躍されている森田有美さんに矯正歯科の魅力に関してお話を伺いました。

矯正歯科医院での衛生士の魅力

患者さんの表情が明るくなっていくのが嬉しい

治療期間が保険診療よりも長く、長期にわたるため、患者さんの人生に携わっている感があります。歯並びの改善にしたがって患者さんの表情が明るくなっていく過程を見る喜びと、患者さん自身の成長を見届ける喜びの両方を享受できるのが魅力です。また患者さんのスマイル、幸せに貢献できる仕事なのでやりがいがあります。久しぶりの患者さんが結婚されて子供ができたとか、大学に入り恋人ができたなど、私生活でも良い変化しているを聞くのが嬉しいですね。
矯正装置を外した時の患者さんの表情が明るくなる時もうれしいです。
予防業務のほかに専門的な知識・技術を身に着けることができます。衛生士として矯正特有の技術を習得することができます。また業務を通じて、PCでの資料作成、患者さんとのカウンセリング、コーチングトレーニングといった他業務にも役立つ技術が習得できます。

矯正歯科治療の魅力

一般診療との違い

クリーニング、TBI、SRPなどの予防処置はもちろんですが、矯正歯科では口腔内・顔面写真・印象採得、ワイヤー撤去、交換、結紫、バンドの試適、ブラケット装着までの一連の処置を先生の指示のもとDHが実際に行います。TBIに関しては矯正装置が付いた状態で歯間ブラシや歯ブラシで装置周りのTBIを行うケースが多くあります。矯正装置のパワーチェーンは調整だけでなく色が付きやすいため注意が必要ですね。また、初診カウンセリングでは患者さんに矯正治療の概要から料金・お支払についてまで説明いたします。その他にはMFT(舌のトレーニング)や態癖指導(爪を噛んでいないか、ほおずえをついていたり、指しゃぶりや歯ぎしりなど生活習慣と関係のある癖)といったコーチングも矯正歯科の衛生士の重要な業務です。一般診療との違いは、院内資料の整理・作成の機会が多いため、PCを用いた事務作業では写真のトリミングから患者さんの資料データ整理、セファロ分析、院内配布物の作成、その他、業務中には受付も行います。

歯科衛生士にメッセージ

矯正歯科勤務を希望の衛生士の方へ

一般歯科では予防業務が中心だと思いますが、矯正歯科ではそれ以外のさまざまな技術や知識を身に付ける事ができます。また学会や講習会、勉強会を通じての色んな人との出会いが、自分自身の刺激になりますし、モチベーション維持にもつながっています。
矯正は難しそうと思っている歯科衛生士さんもいるかもしれませんが一般歯科も同様に教科書には1文しか出てこなかった事が治療現場で使用します。私は歯科衛生士学校を卒業後に矯正歯科に勤務しましたので矯正はもちろん、予防についてもパソコンについても全くできませんでした。その頃は私が患者さんに専門的なカウンセリングしているところなど想像できませんでしたし、MFTや態癖なんて言葉も聞いたことがありませんでしたが、今ではこれらの業務も何とかこなせるようになりました。どんな仕事も最初はわからない、できないことだらけですが継続は力なりでなんとかなるものです。矯正歯科に勤務したことで私自身、自信がつきましたし、大きくステップアップできたように思います。何より毎日の仕事にやりがいを感じれるのが幸せですね。

私が目指している衛生士の姿

今後とも技術と知識の習得を継続していくのは勿論ですが、それ以外では一人ひとりの患者さんの立場にたった対応、指導のできるDHになりたいと思います。

現在は学会や勉強会に参加して、他の衛生士さんがSOSやクレーム対応に関してどのようにしているか勉強して日々の仕事にいかしています。
あとは仕事中はいつでも笑顔で元気に対応ですね。

職場を選ぶポイント

勤務するうえで大切なポイントは医院環境と人間関係です。
面接だけでは、医院の雰囲気すべてを感じ取るのは難しいと思います。医院の了解を得れるなら、一日見学させて頂くのがよいのではないでしょうか?
見学の際にスタッフと院長、スタッフと患者様の会話など、どのような対応をされているか見てみると医院の雰囲気が伝わってきますよ。

スタッフ育成に関して

院長からひと言

保険外診療を行う医院全てに当てはまる事だと思いますが、自分の仕事に対してこれくらいで良いだろうと思わず常に自己研鑽を続ける方が求められます。矯正治療は治療期間が長いため患者さんの人生に深く携わるため衛生士業務以外にコミュニケーションも必要になってきます。
スタッフの育成に関しては、機会を与える事、適材適所でモチベーションと能力を発揮して頂けるよう常に考えております。通常の業務だけでなく学会発表のプレゼンを行ったり、人前に出るのがどうしても嫌な人には資料作成や患者様との個別カウンセリングなど、適材適所で自発的にスタッフが仕事をできるようにしております。

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