現代の歯科インプラント事情考察(KMインプラントセンター/松元教貢歯科医院・松元教貢先生)

クローズアップ・ドクター

松元 教貢

現代の歯科インプラント事情考察

松元 教貢
KMインプラントセンター 松元教貢歯科医院
東京都大田区山王3-18-3 井上ビル2F
http://www.samurai-implant.com/

『術後の状態をわかりやすく伝える』

インプラント治療は、現時点で相当の事を実現出来る夢を叶えてくれるものとして認知されて来ている事は、間違いないでしょう。
しかし、その反動、副作用について従来は余りにも知らされてきていなかったと言えます。

確かにインプラントを使えばかなりのレベルまで治せます。
しかし、その代償で患者さんが負担しなければ成らない肉体的な負担、時間的な負担、費用的な負担等を患者さんは何処まで許容していかなければ成らないのでしょうか?

今ネット上等で責任不在のまま、インプラントの有効性が宣伝されています。
骨が足りない時には骨を作り、歯肉を増やして、インプラントで綺麗に治せるとか、スピード、即時負荷等時間短縮して治せるとか、宣伝が繰り広げられています。

しかし、どれ位痛いか、腫れるか、時間が掛かるか、費用が掛かるか、上手く行かなかった場合どうなるのか、逃げずに言及しているHPがどれ位あるのでしょうか。
私とて例外ではありませんが、世界的にもそう言う動きなのです。

それに対して、今回のAOインプラント学会ほど、DR達に注意を喚起した学会はありません。

補綴主導型は立派な概念です。
が、理想的に究極な治療を望んでいる患者さんばかりなのでしょうか。

人は必ず老いて行きます。
必ず望むと望まざるとに関わらず、老化現象から逃れる事は出来ません。

アンチエイジングが何処まで出来るのか、いまだ確定的でない現在で、可能性に掛けて治療するのは危険が伴うと言う事を、きちんと伝えるべきであると、私個人的にも考えます。

生意気を百も承知で言いますが、インプラントが漸く真面目に科学的に考察が加えられ、整理され、冷静に広がる新しい時代が到来しようとしているのでしょう。
ゴッドハンドによる奇跡的な治療を、否定する訳ではありませんが、科学とは、誰でもが同じように、同じ事を同じレベルですれば、同じような結果が出る、と言う事である筈です。

私自身、即時荷重即時GBR骨造成同時歯肉再生審美インプラント治療と言う、現時点では限界を遙かに超える治療を成功させ、更にはその内容で2004年、2007年とPRD(世界最高峰の歯科先進治療の 3~4年に一回しかない)学会で2000本以上の論文の中から15~25本しか選ばれない論文に2回連続で選ばれると言う事を成し遂げました。
即ち、実績が世界的にも評価に値すると認められているDRと言う事です。

その私の目から拝見しても、日本の現状は非常に危ういとしか言えません。
世界的にも、こう言う危険性を今、大きな声で言わなければ成らないと言う事が今回のAOだったのです。

もうすぐインプラントが大批判される時が来ます、必ず来ます。
その時に、どう持ち応えて良き発展を患者さんの為に出来るのか、真摯に考えるべき時なのです。

今宣伝に浮かれて、正確な知識・知恵・腕・経験等がなく先端的な(危険な)治療に安易に取り組む事は避けなければ成りません。
その事は、深く銘じて欲しいと思います。

私も微力ながら、患者さんの為に、若いDR達の為に、自分が知っているノウハウに関しては、適時明らかにして行きたいと考えています。
医療関係者には、慎重な態度を、又患者様には安易に考えず、真摯な医院を選択される事を願います。

良質な医療は、良心からしか生じない事を心の奥深く刻んで欲しいと思います。

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